【育成16】S子は病んでる

S子「イワシャコはヤンデレじゃなくて、ヤンデルでしょうが!」

ヒロ(びくっ)

ヒロ「い、いきなりどうしたの姉ちゃん、PC画面に向かって」

S子「……ああ、ヒロね。ちょっと、ヤンデレとヤンデルを取り違えているのを見ると、つい相手を誘拐監禁して逆さ吊りして、『私めが間違っておりました、お許しくださいS子様』って泣きわめく口に、おにぎりを詰め込みたい衝動にかられてしまうのよ……!」

ヒロ「何故におにぎり!? ってか、相変わらずの危険思想だよ、落ち着いて姉ちゃん!」

S子「ちゃんと監禁相手の栄養管理も忘れない! それが真のヤンデレスト!」

ヒロ「ちょ、姉ちゃん、なんかいつもより錯乱してない!? 顔赤いよ!?」

S子「――そうでしょうね。今、体温三十八度五分あるみたいだから」

ヒロ「それ風邪じゃん!? ちゃんと寝てえええええっ!

ヒロ「まったく、ヤンデレどころじゃないって。いつもおかしいから、危うく病気だって気づかないところだったよ……」

S子「だから、ヤンデレじゃなくて、ヤンデルよ。この二つは似て非なるもの……ゲホゴホッ」

ヒロ「だから寝なって」

S子「いいえ、あんたにヤンデレとヤンデルの違いを伝授するまでは死ねないわ!」

S子「いい、ヒロ。前にも言ったと思うけど、ヤンデレによく似た『ヤンデル』という属性がこの世にはあるの。字のごとく『病んでる』のが特徴よ」

ヒロ「え? でも、それってヤンデレも病んでるんでしょ? どう違うの?」

S子「二つの違い……それは、愛の順番よ」

ヒロ「愛の順番?」

S子「誰かを愛して、それがつらくて苦しくて切なくて……苦難の果てに病んでしまうのがヤンデレ。対して、ヤンデルは初めから病んでいる相手に愛されるの。――たまに愛されてすらいないけど」

S子「つまり、愛→病がヤンデレ。病→愛がヤンデルというわけね」

ヒロ「……ふうん。それはわかったけど」

S子「けど?」

ヒロ「その順番が変わると、何が変わるの?」

S子「激しく、大きく、違うわよ! いい! ヤンデレ好きがどこに萌えるのかというと、実は色々あるけれど、病むほどまでの過剰な愛を独占している、というのが一つの大きなポイントなのよ。こんなに狂うほど愛されている……その実感が大事なの。愛が重要なのよ」

S子「逆にヤンデルは、愛されていようがなかろうが、正直どっちでもいいわ」

ヒロ「そうなの!?」

S子「断言はできないけれどね。この辺は個人差の大きいところだから。ただ私は、ヤンデルを愛でる時、いかに気持ちよく発狂してくれているかどうかを重視する。常識外れな言動や、独特の価値観、キャラクター性の方が大事なの。愛はむしろない方がいい場合もあるわ」

ヒロ「お、奥が深いね……」

S子「ヤンデルは、キチデレの派生だからね。元々の源流が違うのよ」

ヒロ「?? よ、よくわからないんだけど」

S子「世の中には、いろんなダメンズ萌えがあるってことよ。クズ萌え、ダメ萌え、へたれ萌え、ゲス萌え、メンヘラ、サイコパス」

S子「ああ、この世がすべて、キチ●イで満ちればいいのに……」

ヒロ「姉ちゃん、大丈夫!? なんか、目が完全にイッちゃってるよ!」

S子「大丈夫よ。この世が全部キチ●イになったら、逆にそれが当たり前になって、この世からキチ●イがいなくなっちゃうじゃない。だから、大丈夫よ」

ヒロ「姉ちゃん、正気保ってる!? 言ってること、むちゃくちゃだよ!」

S子「ああ、ヒロ。あんたもとうとう立派なヤンデレになったのね……ゲホゴホッ」

ヒロ「姉ちゃん、それ幻聴! 熱のせいだから! ちゃんと寝てええええええっ!」

PRRRR♪



ヒロ「え、電話!? こんな時に誰だよ――って、M姉ちゃん?」

ピッ



ヒロ「もしもし、M姉ちゃん! S姉ちゃんが今病んでて、大変なんだけど――え?」

ヒロ「……ちょ、彼氏ができた!? 何それ、どういうこと? M姉ちゃん、M姉ちゃんーっ!?」



続く!



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2 thoughts on “【育成16】S子は病んでる

  1. 更新再開非常に嬉しく思います。 ヤンデレとヤンデルの違い、興味深かったです。

    • >mioさま お待たせしました、いつも応援ありがとうございます!

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